Sky High スカイ・ハイ(ジグソー)―爽やかながら歌詞は失恋の歌

(Tip)

―1975 Jigsaw(ソングライター:Clive Kenneth Scott / Desmond Dyer) 
Key Words:失恋歌そのもの

はじめに
その昔、アントニオ猪木と戦うような時代に、空中戦を得意技とする、空飛ぶメキシコ人プロレスラーがいた。
(正確には、ジャイアント馬場の下でアントニオ猪木が一緒にプロレス人気高揚の一時代(漫画「タイガーマスク」に出てくる時代)を画した「日本プロレス」より後は、同プロレス追放となった猪木が立ち上げた「新日本プロレス」でなくジャイアント馬場が続けた「全日本プロレス」に参戦していたらしく、猪木と戦ったのは日本プロレスでのごくいっとき)
―そのFlying Mexicanの名はミル・マスカラス。千の顔を持つ、と言われ色々なマスクを試合でかぶって、宙を舞う。

曲の内容
この曲は、タイトルでもある”Sky High”(空高く)というイメージがミル・マスカラスのスタイルにマッチし、彼の入場曲として使われた。

You’ve blown it all sky high.(君は空高く飛んだ―鼻息荒く体を宙高く舞った)

出典:Sky High by Jigsaw(拙者訳)―以下同じ

英文の構造的には、主語が何か(目的語)を吹き飛ばすという関係になるが、やや比ゆ的に、自分の体を吹き揚げたというイメージで…。
曲調もすごく爽快で、宙を舞う…にマッチする。

ただ、歌詞をよく読むと、まず、その前のフレーズとして

I gave you love, I thought that we had made it to the top(愛して、僕らは(愛の)高みを空てっぺんまで極めた気分)

とあり、実はこの曲、恋の歌ということで、
愛の高みを極めた気分、とこの辺りまでは、恋に舞い上がる歌かとも思われるのだが…

でも、結局、

You’ve blown it all sky high, by telling me a lie, without a reason why(君は、訳もなく、嘘ついて、僕らの恋を空高く遠くへ吹き飛ばしてしまった)

と。実はこの歌、裏切られた失恋の歌だったんですね。

じぶんは歌詞など訳すことなく、長い間、気分を気持ちよく乗らせるために聞いたりなどしていた。
まぁ、歌というのはメロディと歌詞から成るけどメロディだけでも十分、人に働きかけてくれるものだから…。

歌詞の意味を知った今となっても、
メロディがあまりにすがすがしく気持ちよいので、
主人公もあまり恋の痛手を引きずらず気持ちを切り替えたことだろう
などと勝手な解釈を補完してしまう。

※曲情報は Sky High などで検索できます。