ゴッドファーザー愛のテーマ ―アポローニアとの真実愛の曲

(Tip)

― 1971 アメリカ映画より 
Key Words:人生で貴重な真実の男女愛 

まず映画の話で、
この映画の名前は、ほぼ誰もが聞いたことがあるだろう。1970年代前半に、このⅠが大ヒットし、すぐあとⅡが作られ、しばらくして後(たしか十数年?)Ⅲが作られた。
闇の世界を舞台にした話なので、それなりのシーンもあるが、アカデミー賞を取ったくらいだからもちろん、愛とかの人間の普遍的テーマが盛り込められている。

ストーリーは、案外難しく感じられるかも。ハラハラする展開の中でストーリーじたいは追えるのだが、何を良しとして描いているのかが分かりにくいような、ちょっともやもや感が残るだろう。実は、あとで少し触れるが、分かりやすくない人生というものを描いているからこそ、だ。

で、映画話の一部として、曲にまつわる話がここからになるが…
この映画のストーリーの中で、少し異質で、独立した物語かのように感じられる部分がある
―インテリに育ちながらも、襲われたドンである父とファミリーを守るため罪を犯した主人公が、アメリカからシチリアへ隠れ住んだときのアポローニァとの短命に終わった愛情(結婚)物語―そこを象徴する印象的なBGM曲だ。

そのシチリアでの小物語の中で、2人が並んで歩いてゆく際、つまづいた相手をとっさに支え合う一瞬の姿がある。見ていて思う―(連れ添うというのは)これがすべてなんだろう。これあるかぎり、これさえあれば、いいのだろう。

シチリアでの愛情物語が、ストーリー全体の中では必ずしも不要では、という意見もあったり。でも、コッポラ監督は必ず入れたかったんだろう。なぜ?
―この映画は、必ずしも成功を描くための物語ではない。帰国してよりを戻し結婚したケイとの最終シーン(さらには続編)でも窺えるように。何かを得ても何かを得られない、そんな、人間共通の人生のあり様を描く映画*。

どんなに家族として大事にしようと努めても、幸せに成就し得ない結婚生活が生じてしまうのも人の現実。人生のそんな悲哀の一面を映し出す上で、主人公にとっては結局真実であったアポローニァとの愛情物語が必要だったということ。

*ハッピーエンドでなく人生の不条理そのままに、は当時のアメリカン・ニューシネマの系譜とも言える。

追記
じぶんはⅢは見返したことがないが、少なくともⅡまではセットで見てよい、いや、見るべきだと思う。1~2年の間ですぐ完成させた、正に続編としてセットになったような内容なので。新しく登場するロバート・デ・ニーロも快演する。ただ、(自分はストーリー詳細をちょっと忘れたが)’ハッピーエンドでなさげ感’はⅡのほうがより出ているかもしれないので、もやもや感も増すかもしれないが。

※曲情報は The Godfather / Apollonia Theme などで検索できます。