ベンツとBMWどっち

(Tale)

key Words:あなた次第 

(友人に良品の中古を譲ってもらうなどして乗り始めたら、思わず)ドイツ車が好きになった人は、車格等がかぶるこの選択は迷うところだと思う。
ちまたで見る印象をデフォルメ的にまとめれば、(小)金持ち一般にベンツ、(小)金持ちでクルマ好きがBMW、(小)金なくても車好きのBMW、といったところだが…。

試乗(運転)させてもらうなどもして、両車を乗り比べたことがある。
乗り味の違いは、ちょっと前の同時期にベンツCクラスとBMW3シリーズをノーマル(comfort)モードで乗り比べた印象では、ベンツがやや慎重(dull)、BMWが敏捷(quick)な感じ。でも、ベンツもモードを1つ上げてsportにすれば、印象は似た感じに。

実は、このノーマルでの微妙な違いが、両社の車づくりの思想の違いに由来するのだろう。つまり、ベンツの根本的な志向が安全・安心感からのcomfortable(心地よさ)、BMWは体の一部のような操作感からのcomfortable(安全面にも高度な操作性が寄与との発想)。

安全支援機能の開発力は、ベンツが先駆的で競合他社もしっかり追従しているような印象だ。一方BMWの、「駆け抜ける歓び」”Freude am Fahren”というブランドイメージがこれだけ広く浸透するところの追究力というのも、変わらず健在ということだろう。

ただ、車づくりの違いと言っても、志向の話で、マーケティング上どちらも他車の能力を意識して自分のweak pointを作らないよう開発し続けるから、安全機能も操作性能も、誰もが気にかけるほど大きな差というものが生じるわけではない。

実用面で、長距離ドライブは、車にお任せ感を持てるベンツが楽と言う人がいるが、これも言うほどのことではないだろう。車好きのBM乗りにとっては、ロング・ドライブで「楽しいから疲れない」と、何時間も相方にハンドルを渡さない人など知っているから。

要は、そのときその人との相性(その人が無意識的に車に求めているもの)。同じ人でも、歳で変わる面があるだろう。
どちらの車も高額な買い物となる分、試乗も存分にさせてくれるはずなので、さらに質実剛健・四駆(クワトロ)のイメージが強いAudiなど含め、じっくり試して、自分の感覚にジャストフィットするのを選んだなら、それがそのときのあなたにとっての正解。つまり、正解は人とタイミング次第。

※それぞれの車のCM情報は Mercedes-Benz CMBMW CM などで検索できます。